熱源不明の発熱について

熱源不明の発熱について

発熱には基本、炎症がつきものです。
炎症がどこで起こっているのか不明で熱だけが出る場合もあります。
これには重症化する病気が隠れている場合もあるので注意が必要です。

発熱の原因で最も多いのは、感染症(細菌やウィルスが炎症をおこす)です。
(発熱に伴い倦怠感や節々の痛みは伴います。)

発熱以外の症状が伴いにくい感染症
尿路感染肝炎血液への感染(敗血症)などが代表的です。
(まれではありますが感染性心内膜炎なども熱だけの症状が多いです。)

これらは重症化しやすく、命に関わることも多いため早期に気づくことが大切です。
重篤度の指標としてはCRP(炎症反応)が簡便で有用と考えます。(敗血症ではCRPがかなり高値となる)
尿路感染や肝炎の簡便な検索方法としては尿検査が簡便で有用と考えます。
(尿路感染では尿白血球が増加しやすい 肝炎では尿中ビリルビンが増加しやすい)

発熱の発症が比較的早期の場合まずは感染症の検索を行います
尿の検査(尿路感染や肝炎を発見しやすい) CRP(炎症反応)の検査(重篤度の評価)を行います。
検査により熱源が推測できる場合はその治療を行います。

検査でも判明しない場合は、一旦感染症として、解熱鎮痛薬や抗生剤(細菌感染症の可能性を考慮して)などで経過観察させてもらうことが多いです。

自身の免疫が十分機能していれば、細菌やウィルスを数日以内で退治して、そのまま他の症状もなく解熱してよくなることがほとんどだと思います。
細菌やウィルスに打ち負ける場合は、そこで病原体が増殖するので後でのどが痛くなってくる、後でお腹が痛くなってくるなどがでてくることもあります。その際は再受診を検討ください。

感染症以外で考慮しておくべきもの(特に長期に発熱が続く場合)
① 腫瘍熱(悪性腫瘍による炎症により熱がでる)
② 膠原病(自己免疫疾患…自身の体内で作られた抗体が自身の組織を攻撃してしまい熱がでる)
などを考えておく必要があります。

経過観察しても、発熱が続いたり、悪化傾向にある場合は、上記のように腫瘍熱や、膠原病などが隠れている場合もあるので再受診を検討ください。(その際は、検索可能なものは当院で検索し、見つかった疾患によっては適切な病院に紹介させていただきます。)